【池袋暴走事故の判決を受けて飯塚被告の今後について推測・解説】を聴いて

本日取り上げるのは、皆さんもご存知のホリエモンが2021年9月3日に放送していた「池袋暴走事故の判決を受けて飯塚被告の今後について推測・解説します」についてです。

一応自分も刑事事件に関することは業務として携わっていた経験もあるので、そもそもの検察制度とか、ホリエモンも放送の中で取り上げていたよくある疑問点的なところもさらいつつ書いていこうと思います。

そもそもどんな事件でどんな判決が出たのか

事件の概要や判決の内容については触れ出すとキリがないので、新聞記事の電子版的なものを参照します。

結局、被告人としては「アクセルとブレーキは踏み間違えていない」「車が故障して勝手に加速してしまった」というような主張をしているわけですが、現場の道路状況とか直前の防犯カメラやドライブレコーダーに記録された映像などの客観証拠や、現場付近で被告人が運転する車を見ていた目撃者の証言なども合わせて、被告人(弁護人)の主張は退けれられたということです。

禁固5年ってかなり重たい判決

そもそも、今回の被告人に科せられた罰条はいわゆる「過失運転致死傷」というもので、あくまで「過失」です。

この場合、法定刑の上限は7年以下の懲役または禁固になります。

このニュースを見た人のなかでは

「過失じゃなくて故意じゃないの?」

と思う方もいたのではないでしょうか。

平成13年に法改正されて「危険運転致死傷」という罰条が新たにできて、これは、酒を飲んでアルコールが体内にあるということがわかって運転して事故を起こしたり、薬物の影響とか、正常な運転ができない状態であることを分かった上で運転して交通事故を引き起こしてその結果怪我させたり死亡事故を起こした場合に適用されます。

危険運転「致傷」の場合は上限が懲役15年以下、「致死」の場合は1年以上の有期懲役になります。

ただ、危険運転致死傷の場合は、その条文に該当するケースが非常に稀で、多くの事例において「過失運転致死傷」として起訴することが多いのが実情だと思います。

そもそも判決が出るまでに何をしているのか

前提の話も参考になるかもしれないので解説すると、刑事事件は警察が捜査した後に検察庁にその事件が送られてきて、身柄が拘束された状態だと長くて20日間、場合によっては10日間の間に、検察官が起訴するか起訴しないか(不起訴)を判断します(自分は検察官の横にいた人です)。

起訴すると、起訴状を裁判所に提出し、所定の手続きを経て裁判が開かれます。

裁判の手続きは全て刑事訴訟法で決まっているんですが、色々やりとりして、検察官が「論告」というものの中で被告人に科すべき刑を言い(求刑)、それに対して弁護人が「弁論」という形で今回の事件についての弁護側の主張、それにふさわしい刑を言います。

それを踏まえて「判決」ということで裁判官が判決内容を言い渡します。

話は戻って禁固5年はかなり重たいよって話

検察側は、「論告」の中で上限の禁固7年を求刑しました。

これはかなり攻めた求刑だったと思います。

というのも、やはり刑の重さにも相場みたいなものがあって、発生した被害の大きさなどに準じるところがあります(今までの判決から、本件と同様の事例がどのような量刑だったかをすごく調べます)。

今回、上限の7年を求刑したということは、仮に同じような交通事故が起きて4人の方が亡くなりました、みたいなケース(もちろん人数だけで判断するものではありません)は7年以上の求刑ができないので、上限の7年を求刑し、数字としては同じ評価となってしまいます(他の罪も起こしていたら話は別なのでそれは割愛します)。

おそらく何年で求刑をするのか、今回の被告人がいわゆる「上級国民」という立場の人(元経済産業省?のお偉いさん)で、この事件(判決)が社会に及ぼす影響も相当大きなものになると予想されるので、検察の方々は相当悩んだのではないかと思います。

結果として判決は禁固5年ということで実刑でした。

ここでまた一つプチ情報ではありませんが、判決にも大体相場というものがあって、検察官の求刑に対して8掛けくらいに判決は落ち着くという謎の理論があります。

これに当てはめると、7年の8掛けだったら5年6月ですね。

きっちりその比率で判決が言い渡されるなんてことはありませんが、知ってる人は知っている豆知識でした笑

なお、求刑に対して「半割れ」という概念もあり、今回もし判決が3年6月以下の禁固刑だった場合、検察側としては判決内容に不服を申し立てて控訴していた可能性が大いにあります。

検察側としても、罪に対する適正な量刑を与えるという大義名分があるので、求刑に対してあまりに低い判決が出てしまうとこれはこれで問題になるわけです。

このような事情もあったりします。

話をもう少しだけ深掘りします

先ほども書いたように、今回は禁固5年で実刑だったんですが、「執行猶予」という言葉を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

執行猶予には、付けられる条件があって、宣告された刑(判決)が3年以下じゃないと執行猶予はつけられないことになっています。

なお、執行猶予期間は最長で5年間です。

なので一番重たい執行猶予刑は「懲役3年・執行猶予5年」になります。

これは、刑が確定した日から5年間は執行を猶予されて、その期間内にまた悪いことして懲役刑とかになったら猶予刑も取り消すからね、絶対に悪いことするなよ、的な感じです。

5年間何もなければ懲役刑が取り消されます。

そういう訳で色々書いてきたんですが、今回の被告人に対してどのような刑罰が望ましいかという点については言及しませんが、いわゆる「相場」的な観点から今回の判決を紐解くと、

もし仮に検察側が「禁固5年」を求刑した場合、判決として禁固3年(6掛けということもたまにあります)、つまり執行猶予が付けられる事態が発生する可能性が出てくるわけです。

そうなると市民はもちろんマスコミが黙ってはいないし、誰も救われない感じが出ちゃう。

じゃあ「禁固6年」を求刑した場合でも、判決として禁固3年(ちょうど半分)執行猶予5年みたいな判決が出る可能性は限りなく0だけどあり得るわけです。

なので、検察側の「禁固7年」という上限を求刑したという点は、裁判所への「当然これは実刑ですからね」を示す強いメッセージと捉えることができます(求刑の半分でも3年6月なので実刑しか言い渡せません)。

結果的に禁固5年だったんですが、、おそらく検察と裁判所の双方にとっては互いに納得のいく落とし所だったのではないかな、っていうのがこの判決に対しての自分なりの憶測でした。

ほんとはこの先の話を色々紹介したかったんですが、あまりに長くなりそうなので続きは明日書こうと思います笑

内容としては

  • 結局まだ「確定」はしていない
  • なんで逮捕されずに在宅事件だったの?
  • 司法制度について
  • 確定したらどうなるか

この辺について触れていきたいと思います。

今回のホリエモンの放送は、ホリエモン自身が実刑判決をくらって刑務所に入った経験もあるという点で、非常にリアルな視点で話をしていてなかなか聞き応えがあります。

勉強になることも多い(と思う)のでよかったら聴いてみてください。

9月入ってから同様の投稿が続けています。

ライティングの練習とアウトプットを兼ねたものなので、興味のある方は覗いてみてください。

それではまた。

この記事を書いた人

masatoshi

一人暮らしの日々の暮らしをちょっと豊かにする生活改善情報やお金のことを主に発信しています/物件選びのコツ、引越し、家計管理術、資産運用実績、生活改善情報、愛用品・生活家電レビュー、Voicyアウトプット/一人暮らし歴12年目突入/賃貸物件6件目/バツイチ/国家公務員一般職からフリーランス独立/Web制作/Webマーケティング/Web制作×Web広告の定額サービスは「ウェブサイト」から↓↓